今年はなかなか寒い日が続いていますね。冬が来ると手足は冷えてなかなか温まらないと言う方も多いのではないかと思います。2019年に行われたインターネット調査(リンナイ調べ)によると、自分が冷え性だと自覚している人は、女性では7割以上、男性でも4割もいるそうです。「冷え性」は単なる手足、体の冷えだけではなく、さまざまな不調を引き起こす厄介な症状です。このブログでは、そんな冷え性でよくみられる症状や冷え性の対策について書いていきます。
冷え性の方のよくある症状
冷え性とは、身体の一部が冷たく感じられる症状を言います。冬場は特に、手先、足先といった先端の部分が冷えてしまうことが多いと思います。実は「身体の冷え」でもいくつかパターンもあり、また、冷えと言っても、実際に「めちゃめちゃ寒い」と感じている方から、あら?触ってみたら冷えているなとそこまで困っていなと言う方までさまざまなのです。
<身体の冷え>
- 手先・足先などの末端の冷え
- 下半身の冷え(+上半身のほてりがある人も)
- 体幹部(お腹・腰など)の冷え
- 肩の冷え
また、身体の冷えだけではなく、個人差はありますが冷え性がある方は以下のような症状を合わせもつ方も多いと言われています。あら?私のこと?って思う方も多いのではないでしょうか。
- 肩こり
- 腰痛
- 関節痛
- しびれ
- 月経の問題
- 尿の問題(頻尿/残尿/尿失禁/膀胱炎)
- 下痢
- 便秘
- 皮膚の乾燥
- 皮膚の角化
- シミ
- むくみ など
さらに、冷えている方は、新陳代謝があまり良くないとも言われ、「痩せられない」ことにもつながります。
また、例えば、子宮筋腫の方は、冷え性体質の人がなりやすく、また子宮筋腫がさらに冷え性を重くしていったりと言ったように冷え性と病気とはお互いに悪循環となる場合もあるのです。
冷え性の原因
そもそもの「冷え」の原因は、「体内で熱を上手に作れていない」こと「血液循環の悪さ」です。
体内の熱産生
体の中では、
- 筋肉の運動
- 食事をとり体内に吸収された栄養が分解される時(代謝)
で主に熱が作られます。
筋肉で1日の約60%の熱が作られているとも言われていて、筋肉量と運動量が多いほど熱の産生も多くなります。そのため、男性に比べて筋肉量の少ない女性は冷え性になりやすくなってしまうのかも知れません。
熱の運搬・調節
体で作られた熱は、「血液」によってすみずみまで運ばれていきます。そのため、貧血や低血圧は冷えの要因になりやすくなります。
さらに、自律神経は血管の収縮のコントロールをしています。自律神経の調整がうまくいっていないと、寒いのに末梢の血管が収縮せずに熱が奪われてしまったり、温かい場所でも収縮したままで手足が冷えてしまったりという状況が起こってしまいます。
自律神経は、ストレスや睡眠の影響を受けやすいのことも知られていますね。
冷え性の予防・改善
食生活を整える
冷たいものの取り過ぎ、ファストフードやスナック菓子の食べ過ぎなどによる栄養バランスの偏った食生活、過度なダイエットなどは、代謝を低下させ、また血液をドロドロにしてしまい循環が悪くなる原因となります。
身体の中から温める食事をとり、代謝をUPさせ、血液循環をよくすることも重要です。
おすすめの食材の例:
ニンニク・生姜・にら、ネギ・紫蘇 香味野菜
玉ねぎ・にんじん・レンコン ・・・ 根菜類
牛肉・羊肉 ・・・ 赤いお肉
辛い食べ物も身体を瞬間的に温めてくれますが、胃腸の弱い方にはオススメできません。
自分の胃腸と相談してみてくださいね。
適度な運動
適度な運動は、代謝をUPし、血液循環を良くしてくれます。また、徐々に筋肉量を増やしていくことで、冷えにくい体質作りを目指したいですね。また、以前、NHKの番組で、冷え性対策で血管をのばす体操が効果的といった番組をやってました。簡単なストレッチで効果が上がっている人も多いので、参考にしてみてはいかがでしょうか?(詳しくはこちら)
適度な休憩
この忙しい現代でなかなかゆっくりできない人も多くなってきています。常に緊張・ストレス状態にいると自律神経の調節機能もうまく働くなってきてしまいます。適度に休息をとり、質のよい睡眠は、冷え性体質改善につながります。
お薬の濫用を避ける
頭痛・生理痛、さらに便秘の時の対策として、解熱鎮痛剤・下剤といったお薬を気軽に服用していませんか?
例えば、解熱鎮痛剤は、名前の通り、熱を下げてくれるお薬です。また、お薬として効果を出す過程で、消化機能の低下が起こってしまいます。「熱を下げ」、熱を作ってくれる代謝も低下してしまうのです。もちろん辛い時にたまに使用するのは問題ありませんが、常備薬として取る頻度が多いとやはり冷えやすい体質になってしまうので、気をつけましょう。
おまけ
実は、ピッタリとした靴下・タイツ・ガードルなど締め付ける下着は、血流を阻害してしまうため、冷え性の方にとっては、実は冷え対策としては逆効果。できれば、ゆるゆるソックス・ゆったり腹巻など締め付けないものを選びたいですね。
鍼灸治療で冷え性対策
鍼灸治療では、東洋医学的な観点から身体を診ながら、必要な経穴(ツボ)に細い鍼を使って刺激をしていきます。鍼の刺激を使って、全身の「気」の流れを整えていき、冷え性の根本原因の改善をおこなっていきます。
期待される効果:血流改善、消化機能の改善、ストレス緩和、自律神経調整
一言で「冷え」といっても、人それぞれ体質が異なります。鍼灸治療の良い点は、治療にいらした方の体の状態をしっかりとチェックし、その方にあった対策をとっていけることです。治療後は、ポカポカになって帰宅される方もとても多く、また、地道に体質改善を行うために、その方にあったセルフケアも指導していきます。
セルフ灸のすすめ
自宅で自分の時間にお灸をする「お灸女子」も増えています。消化機能をUPや血流改善目的に、自宅で簡単にできるお灸を使ってみてはいかがでしょうか?また、治療院では、あなたに合わせたセルフお灸の指導もしていますのでご活用ください。
おすすめのツボ①:三陰交
【場所】
内くるぶしの一番高いところから指4本分上で、骨と筋肉の境目。
【効能】
生理トラブル、不妊症、冷え性(お灸)、めまい、更年期障害など様々な症状に。
おすすめのツボ②:足三里
【場所】
ひざのお皿のすぐ下で、外側のくぼみに人さし指をおき、指幅4本そろえて小指があたっているところ。
【効能】
全身の血流改善、消化機能改善、免疫力UP