もうすぐ春の声が聞こえそうですが、まだまだ寒いですね。こんな季節の移り変わる時期は、冷えや肩こり、むくみ、不眠など不調が出やすくなる時期です。身体を中から温めて、血流をよくするためにお家で「お灸」をしませんか?「お灸」と聞くと、「えーー。熱そう!!」「難しそう!」と思う方もいるかもしれませんが、自宅で簡単にできる「お灸」が人気なんです。

ちょこっとした身体の不調にぜひお灸を試してみましょ!!

お灸とは

お灸とは、ヨモギから作られた「艾(もぐさ)」を燃やし、その熱刺激を身体に伝えて自然治癒力を活性化させる治療法です。

お灸の歴史

お灸は実は、鍼と同じくらい歴史は古く、中国ではすでに2000年も前から医術として用いられていました。そして、日本にはなんと飛鳥時代(年代)より前に伝わってきて以来、日本の独特な形に発展していったようです。江戸時代には一般庶民にも普及し、季節の変わり目には、お寺や「灸どころ」と呼ばれる場所でお灸をする習慣も広がっていったそうです。実は探してみると、古典落語とか浮世絵などにも、お灸が取り上げられていたりするのです。

お灸の効果

東洋医学的見解

私たちの身体は、ちょっとした心身の変化によってひずみができ、そのひずみが原因で経絡上でエネルギーの流れが滞ると、不調が引き起こされると考えます。お灸は、熱の刺激によって、ツボや経絡にできたひずみを解消し、全身の流れをよくすることで、身体も本来の機能を取り戻し、健康に過ごすことができるという訳です。

西洋医学的見解

最近の研究では、お灸の熱刺激によって、熱から身体を防御しようとして作られる特殊なタンパク質「ヒートショックプロテイン」というものが作られることがわかってきています。このタンパク質が増えると、身体の多くの細胞が活性化し、身体全体の血流がよくなり、さらには免疫細胞の働きも強化してくれるのです。また、熱刺激は脳にも伝わり、自律神経やホルモン、免疫力や身体のバランスを保つ作用に司令が出て、その働きを活性化させてくれることがわかっています。

お灸の種類

台座灸

火が肌に直接当たらないように紙の台座がついた「台座灸」。ドラッグストアでも、Amazonでも売っていて手軽に手に入るタイプです。

最近は、香り付きのもの、温熱時間が長めのもの、煙の出ないタイプなどいろいろあります。ものによって温熱の強さが異なるので、初めてトライされる方は、熱さの弱いものから初めてくださいね。

治療院では、熱の強さに応じて、

竹筒灸

竹筒の中に、針金を取り付けたものを利用します。竹筒の中で、炭化したモグサを燃やすことで、輻射熱(ふくしゃねつ)と呼ばれる遠赤外線の熱が身体に伝わり、ポカポカとした太陽のような暖かさで身体を温めてくれます。

点灸

米粒や米粒の半分ほどに丸めたモグサを肌に直接のせ、線香で火をつけるタイプのお灸です。 本当に一瞬ですが、少しチクっとした痛みとして熱を感じる場合もあります。

身体少し強めの温熱刺激を与ることで、血流を増やしたり、自然治癒力を高める治療法です。

セルフ灸をやってみましょう

準備するもの

  • お灸
  • ライター
  • 水を入れたお皿(または容器)

(あると便利なもの)

  • ピンセット
  • マーカー

やり方

  1. ツボを探します。指先で肌をさわり、少しへこんだ感じの部分や、軽く押して痛みを感じる場所になります。
  2. 台座灸をお灸のシートから外します。(または、台座の底がシールになっている場合は、シールをはがし、指先に貼り付けます。
  3. お灸の先にライターで点火します。
  4. お灸をツボに貼り、台座が冷めるまで待ちます。(全体で約2-3分。煙が出なくなってから約1分程度)暖かいなぁ。気持ちいなぁという感覚はOK。チリチリした熱さになってきたら、途中でも我慢せずに取り外し、水を入れたお皿に入れます。その際、周りの台座が熱くなっている場合があるので、注意してくださいね。
  5. 熱さを感じなくなったら、用意しておいた水を入れたお皿に入れ、火を完全に消します。

お灸をするタイミング&頻度

タイミング

お灸をするタイミングは、リラックスしている時が一番です!
朝の出勤前でもいいし、寝る前に実施しても大丈夫です。(ただし、お灸をしているのを忘れて寝入ってしまわないようにご注意くださいね。)

運動後やお風呂上がりなど、身体が汗ばんでいるときは、しっかり水分を拭き取り、皮膚がサラサラの状態になってからお灸をしましょう。皮膚に水気がある場合は、局所的な温度が上がりやすく水ぶくれになってしまうリスクが高まります。

頻度

頻度は、その人や症状によってまちまちですので、心配な方は、鍼灸師の先生に相談してみてください。一般的には、1日1回、もし複数箇所やる場合は、身体の変化を観察しながら、左右6箇所ぐらいを目安にしましょう。もし、途中でのぼせるような感覚や、だるさなどが出始めたら、あなたの許容量はそこまで。次の日は、許容量を超えない程度で実施してください。

注意事項

以下の症状がある場合は避けましょう。

・発熱中
・出血性の病気や感染症が疑われる時
・足のむくみがひどい時
・過度に疲労している時

基本的には、温度に鈍感になっている時は要注意です。また糖尿病や神経痛で温度が感じづらい場合は、ご自宅でのお灸は避けてください。

また、熱さを我慢しすぎると火傷や水ぶくれになってしまいますので、ちくちくするような感覚が出てきたら、終了してください。

また、火の消し忘れなどには十分に気をつけてください。

自分の体質の場合、どこにお灸をすれば良いのか?や、こんな症状の時にはどこにお灸すれば良いのか?など悩む場合は、お気軽にご相談ください。

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